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パーソナル・リーダーシップの効用

  東北大学で「異文化コミュニケーション応用:パーソナル・リーダーシップ(P L)」という授業を教えて5年以上が経ちました。そもそも、P Lとは何なのでしょうか。

 P Lは、リーダーシップの一つのモデル、またはツールと言えます。このツールは実践的でシンプルです。P Lは6つの実践習慣と二つの原則から成ります。原則の一つが「マインドフルネス」、もう一つが「クリエイティビティー」です。「今、ここに意識を持ってくる」と言う状態をマインドフルネスと言います。瞑想ということで宗教めいて感じる人も少なくないかもしれません。確かに、お寺のお坊さんたちが坐禅を組む状況は、日本人には馴染みのあるものかもしれません、が同時に、宗教と聞くと敬遠したい咄嗟の反応をする日本人も少なくないでしょう。事実、コーチングでクライアントさんにご紹介した時にも「宗教的な感じがちょっとひいちゃいますよね。。。」と言われたことがありました。

 しかし、「マインドフルネス」は、今をときめく(?)流行りの言葉でありプラクティスとなってきて、アメリカではもちろん、日本でも実践者の数が確実に増えているようです。

 P Lの授業を受講する学生の一人が先日、このように私に呟いてきました。「自分はこの授業を取ってから変わってきたと思います。以前はコミュニケーションが苦手と思っていたのです。浪人の時もコロナ、大学へ入ってもコロナでクラスメートに会うことが制限されてきました。こんなこともあるのか、人とのコミュニケーションに苦手意識を感じていたのです。そんな中、この授業をとって「全てのことをそのまま受け入れる」ことを教わるうちに次第に自分が楽になってきました。先日、台湾の学生から相談を受けて悩んでいると打ち明けられました。そこで授業で学んだことを自分が数時間かけて伝えたら、最後に話をして少し楽になった、と言ってもらえました」と。このように若い人にも受け入れてもらえて、嬉しく思いました。ちなみに「(P Lは)宗教的な感じがちょっとひいちゃいますよね。。。」と伝えてきたクライアントさんは、コーチングで10年近くご一緒いただきその途中からP Lを学び、P Lがきっかけになったかどうかは分かりませんが、それまで副社長さんとして務められていた世界有数の外資系の企業を辞めてしまいました。そして、東京から大学時代に住んでいた長野に戻り、そこで起業をしました。なんと、サラリーマン時代にあった腫瘍もすっかり無くなり、大変元気に暮らしていると聞いております。

 先の学生の言葉や、このクライアントさんの進化のプロセスにご一緒させていただくことを通じ、P Lの意味や有益性を実感した一瞬でした。