日本語 English
有限会社オフィス山本
022-228-2820

いじめ?

 アメリカのプロバスケットリーグ(MBA)で活躍をする日本人選手の一人、八村塁選手は、毎日のように自分の肌の色をなじるメールが来ると言います。人種差別です。彼の弟も同様にバスケットで活躍をしています。その彼は日本でプレーしているのですが、兄同様のメールを日々受け取ると書いています。

 また、オリンピック絡みでも森前委員長がセクハラのため辞任に追い込まれました。他にもスポーツ選手と監督、コーチとの間のセクハラ、パワハラも最近よくメディアに取り上げられ、一斉に噴出しているかのようです。

 20年近く前、私は車椅子の生活を余儀なくされ身体障害者の生活、社会の少数派の体験をしました。下手なスキーで右膝靱帯を切ってしまったのです。街は健常者のためにのみ設計されており、身体障害の人向けにはまだまだ設備が不十分でと感じました。当時のことですから、今とは比較になりませんでした。

 しかし、一時的な障害とは言え、私は自分を守る権利と自由があるはずと思いました。私にとっては一時的な障害ではありましたが、改めて、身体の不自由な人たちのご苦労に頭が下がりました。そして思いました。どんな障害があろうがなかろうが、またはLGBT(性の多様性)であろうがなかろうが、皆、自分を守る権利と自由があると。しかし、頭でわかっていてもいざそうした人を目の前にすると自分の心臓が高鳴ったりすることも少なくありません。違いに対して私たちはさまざまな反応をするものです。以下も参考になるかもしれません。

 ここに、違いに対する人の反応を研究した結果をご紹介します。

 異文化コミュニケーション能力の育成を課題とした、感受性発達モデルの提唱者、ミルトン・ベネット博士によると私たちは、以下の六つの段階で発達すると言います。(詳細は、東海大学、山本志都氏を参照ください。)

レベル1、違いの否定:違いの存在の否定、異文化が認識できない。

レベル2、違いからの防衛:異文化を下に見る傾向で自己の優越に浸る。

レベル3、違いの矮小:皆同じ、と言うが実は何も分かっていないかも。

レベル4、違いの受容:違いを認識し、違いを尊重する。

レベル5、違いへの適応:異文化に合わせ、異文化に適応できる。

レベル6、違いの統合:複数の文化を統合でき、自分のものとする。

 このモデルによれば、苛めはレベル1からレベル3までの自文化中心主義のいづれかのレベル、レベル3からレベル6までは文化相対主義と言います。  

 違いを避けるか、それとも好奇心で近寄ってみるか、さてどちらが、可能性が広がるかしら。。。