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Say ”No”で傷つかない?

ニュースレター-2104:say noで傷つかない相手もいる

 相手から何かを頼まれたりしてノーと言わねばならない時、なんとなくプレッシャーを感じてしまうものですね、断ったり、拒否したりしては相手に悪いんじゃないか、嫌な気持ちにさせてしまうのではないか、と。それも当然のこと、何故って、私たちは、周りとうまくやっていくことを成長過程でそして社会人になっても教えられます。

 これは、アメリカに滞在中の時の私が、30代前半頃の経験です。ある時、ポーラと言う友人と二人でいくつかの国立公園、ブライスキャニオンやデスバレーなどをキャンプ旅行していました。彼女とは、サンフランシスコ郊外のトヨタ自動車の合弁会社(NUMMI)に勤めている時に知り合いました。

 旅を始めて2日目か3日目に入った頃、食事の準備やテント設営など全てにおいて、彼女の命令的口調にむしゃくしゃした気持ちになりました。このまま旅を続けていては、自分は楽しめないと思いました。そこで、自分の彼女の命令口調に対しての嫌な気持ちや不快感を思い切って(清水の舞台から飛び降りる、その時はそんな気持ちでした)ハラハラしながらも伝えてみました。

 ところが彼女の反応のなんと淡白なことか!私は彼女を怒らせてしまうのではないか、とか、嫌な気持ちにさせてしまうのではないか、と心配していたのですが、この反応は、肩透かしというか、気が抜けた感じでした。「あ、そう、わかった」の一言、それだけ。何よりも、相手はちっとも傷ついていない様子でした。もちろん、謝りの一言もありません。

 「ありえない」と思い、その態度に少々違和感を感じながらも、実は私はある種の達成感と爽快な気持ちに包まれたのです。そしてそれ以降は、彼女とは又喧嘩をしても大丈夫と言った妙な安心感と信頼感が私の心に生まれました。

 この経験は、相手からノーを言われても、別段嫌な気持ちになるわけでもなく、気にしない人たちがいることを肌で感じた体験でした。そして、自分が勇気を持ってノーを伝えたことで何よりも良かったことは、そこから得た気づきが大きかったことです。

 彼女は今では30年来の大切な友人です。