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有限会社オフィス山本
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たかが挨拶、されど挨拶

 IQに対するE Q(心の知能指数)で有名なダニエル・ゴールマンさんが自分の感動体験を伝えています。ゴールマンさんは、I Qに対してEQを広めた学者であり、これはあるインタビューに答えたものです。以下の「わたし」はゴールマンさん自身を指します。

 あるバスの運転手、ゴールデン・ブライアンさんのバスに私は乗り込んだ。ジメジメしたニューヨークの8月、気分はそれだけでも不愉快だった。するとバスの運転手が私に話しかけてきた。「今日はお客様にとって、どんな日だったのですか。。。」

 これには驚いた!それも、真摯に語りかけているのがわかった。そしてバスを降りる時にも「今日の残りの時間が、あなたにとって、とても良いものとなりますように!」と同じようにまた親身に話しかけてくれた。

 これは後で知ったことなのだが、このブライアンさんのバスに乗りたくて、他のバスを乗り過ごしてまで彼のバスを待ったお客様たちが居たらしい。さらには、彼が退職した時には、彼を慕う人達で彼のために退職パーティーを設けてくれたと言うのだ。このようなことは勿論、バス業界にとっても初めての出来事だったらしい。。。実は、こうしたことを私は、彼の死亡記事で初めて知ったのだ。

 ブライアンさんは、EQ(こころの知能指数)の最たる表現であり、リーダーの行為ではないかと私は思う、とゴールマンさんはインタビューの最後に言った。

 以上は、ゴールマンさんの言葉を抜粋し意訳したものです。この運転手の行為を耳にした時に私は、この人こそ私が長年研究している「パーソナル・リーダーシップ(P L)」の模範のような人だと思いました。P Lとは「自分が自分のボスになる」ための方法であり合理的かつ実践的ツールです。具体的には「その時、その時で置かれた状況で自分が正しいと思う行動を選び取る」これがP Lが言うリーダーシップです。運転手のブライアンさんは、自分の気分はきっと様々だったにもかかわらず、その時その時の状況で何が自分にとっては正しいか、を判断しそれを行動に移し続けた人、つまり、P Lが目指す「自分が自分のボスになる」ことを通して、多くの人の心に明かりを灯したのだと思います。素敵ですね!