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私にできる?多様性の尊重

私にできる――多様性の尊重

 日本オリンピック組織委のトップの発言が女性を見下すものとして世界のメディアに取り沙汰にされ、ついに元総理、森さんは座を降りた。座を降りるときにも2転3転あったっけ。。。他にも、開会式の音楽を担当してたアーティストが過去の障害者に対する犯罪行為で辞任した、などなどありました。

 人権に対する日本の現状の一端が一気に明るみに出た様相ですが、これはまだまだ氷山の一角でしょう。しかし、地球全体がグローバル化に進んでいる今、日本も、そして私たち日本人も変わらねばならないことがオリンピックを通して明らかになってきています。一人でも多くの私たちが、その必要性をこれから共有していきたいものです。

 「個人の尊重」と「多様性の尊重」は同意語であると思いますが、多くの私たち日本人はこのことの重要性は、たぶん頭では知っています。しかし、何かといえば、幼児時代から「みんなと仲良く」、または「みんなと同じように」、または「周りに迷惑をかけないように」と教えられ育ってきたわたしたちは、周りとの絡みで自分の行動を決めてきました。また上からの命令に従う子供が、「良い子、素直な子」と言われ、上に従順になることが良いという価値観をわたしたち多くの日本人は身につけてきました。上の人に、例えば、学校の先生に意見を言うなどとんでもない、質問でさえ、なかなか言わない、言えない人に育ってきました。小学校の時は違うかもしれませんが、中学校になるとその傾向は極め付け。もうだいぶ前のことですが、私の子供たちの授業参観を見てきて感じることは、自由に発言していた小学生が中学生になると極端に周りを気にし、手をあげることを止める空気が強くあった、ということです。権威には質問をしない、集団の前では静かにしているという傾向が成長につれてエスカレートしていく感じがあります。

 大半の日本人のこの傾向は、もちろん悪いことばかりではありません。長所でもあります。例えば、犯罪の低さや大震災後の給水の列に粛々と並ぶという様に世界の人たちから驚かれ賞賛される対象なのです。

 しかし、個人の尊重、多様性との共生(自分と違う人を「受け入れる」「尊重する」「差別しない」)は、グローバル化の波で日本に確実に押し寄せています。オリンピックやパラリンピックが開催されている今こそ、これからこそが変わるチャンスなのです。 といってもすぐに変われるわけではありません。では、まず、どういうことから始めたら良いでしょうか。私は、「自分がして欲しいことは、先ず自分からする」ことを手始めの一つとして挙げたいと思います。例えば、自分の話を聴いてもらいたかったら、まずは相手の話をとことん聞く、聴く、訊く、です。自分が相手の話に耳を傾け、心から相手の話しを聴くこと。そして自分が聴いていることを相手に見せることや伝えることです。そうすることで相手は嬉しくなり、もっと話したくなるものです。「相手が先に私にしてくれるなら、私もしてやってもいいよ」とは残念ながらうまくいきません。もし、相手の笑顔を見たかったら、お勧めですよ。